~関門突破を目指して~
レポート 財前 廣和


 わが故郷で始めてフルマラソンにチャレンジする。
「別大マラソン」は毎年テレビで観戦はしているものの、まさか自分がこの大会に出るとは夢にも思ってなかった。
また、走ろうとも走れるとも全く考えた事がなかったが、
何故か?チャンスが巡り挑戦する事となった。
この大会のレポート報告をEコーチより頂戴し感謝をこめ自身の思いや考えをご報告致します。
日 時 ● 2016年2月5日(日) 正午スタート
種 目 ● マラソン(42.195km)
コース ● 大分市高崎山・うみたまご前スタート~別府市亀川漁港前折り返し~大分市三佐田交差点手前折返し~大分市営陸上競技場フィニッシュ


大会前日(受付) 4日(土)
 別府市のビーコンプラザで13時~17時まで出場受け付け始まる。参加選手は勿論、家族・応援団・一般市民の方も入場無料で入場でき、地元の食材を使った飲食ブースで料理を堪能できる。参加選手には500円券(250円2枚)を無料で配布。
いろいろ食したいが明日にレースを控え、うどんと餅を食べ15時半頃会場を後にし、大分市郊外のホテルに宿泊。
いよいよスタート 5日(日)12:00
 10時頃までは、強い雨と風でどうなる事かと思っていたが昨年の山口県でのクラブ合宿時に参加した「つの島夕やけマラソン」が蘇り、暴風雨のレースを体験していたことで多少の雨や風は絶対大丈夫と自分に言い聞かせていた。
しかし、スタート時には雨・風共に止み絶好のマラソン日和になった。
プレラインアップは11時35分~11時45分。
スタート配置はゼッケンNo順(持ちタイム)で招待選手を先頭に横一列15人。
自身は先頭の列から226列目、後ろにも38列ありスタッフが各列のNoとユニホームのチェツクを行い割り込みはできない。
今まで出場した市民マラソンのレースとは違った雰囲気、そして気の抜けない緊張感が漂いスタート地点の「高崎山・うみたまご前」にラインアップ。
気になるのは関門閉鎖時間。これを突破するのが第一条件である。先ずは30kmを目標に自分を信じてスタートする。
第一関門(10キロ:52分)
 号砲後スタート地点まで約60秒要しスタート直後から1.5km位まで集団が続き思うようになかなか進まず流れに任せる。 
最初の5kmを24分02秒、少し遅いかなと思いながらもいやいや少し遅い位が後半持ちこたえると自分に言い聞かせながら走る。この辺りから小雨が降りだし第1折り返し地点へ向かうがこの付近は路面のバンク(傾斜)がかなり急である。
折り返し地点を通過直後10kmを迎える。
この間の5kmのラップは、22分30秒で10kmを46分32秒。関門まで5分28秒のゆとり。
小雨はいつの間にか上がっておりレースに集中していたため気付かない自分がいた。
第2関門(15キロ:1時間16分)
 10kmからは、応援もまばらで少し寂しいがコースは緩やかな上りと路面のバンクが続き別府市街地に向かう。
市街地に入ると応援も増え気分やペース共いい感じになり、この調子で走れる事を願いながら15kmを過ぎる。
11km~15kmのラップは22分11秒、15kmを1時間08分43秒、関門まで7分17秒。余談ではあるが15km付近で別府市在住の孫たちが手を振り応援している光景が見えハイタッチ。若いエネルギーを頂き更に力が湧く。
第3関門ハーフ(21.0975キロ:1時間45分)
 15kmを過ぎてから多くの応援を得ながら市街地を通過。
市街地が過ぎようとしていた所で同年代位(?)の女性から「財前さーん」と大声で叫ばれ振り返って見たが誰か分からずじまい。この応援もパワーを頂いた。
市街地を過ぎると別府湾を左に、スタート時の「うみたまご前」へ向かい20km地点へ。
16km~20kmのラップは22分33秒、この流れのままハーフ地点を目指す。
ハーフのタイムは1時間36分14秒、関門まで8分46秒。
第4関門(25キロ:2時間05分)
 今までの市民マラソンでは、15km位から一人旅が多くこの大会ではスタートからほぼ同じ持ちタイムのランナーなので常に集団である。
この付近は応援も殆どいなくて、コースもバンク状態なので海は見えない。
3車線のコース右側を走行していたら白バイの隊員から左側を走行して下さいと注意され徐々に左側へ移動する。
バンク状態の走路が終り平坦に戻り走りやすくなった。
やがて25kmを通過、タイムは1時間54分17秒。21km~25kmのラップは23分01秒、関門まで10分43秒。
第5関門(30キロ:2時間30分)
 25kmを過ぎ大分市街地に入って応援も多くなり、ここが踏ん張りどころと自分との戦いが続く。
久し振りに大分に来たと想いを募らせながら、集中・集中、我慢・我慢と自分に言い聞かせ走る。
集団も次第にばらけて細長くなり自分のペースを守るのが精一杯の状態である。
やがて目標であった30kmを通過、タイムは2時間17分23秒。26km~30kmのラップは、23分06秒。
関門まで12分37秒と広がり、肉体的には目いっぱいの状態であるが、精神的にゆとりが出てきた感じである。
第6関門(35キロ:2時間55分)
 これからが踏ん張りどころと肝に銘じる。
苦しくなった時、この大会は レベルが高い「別大マラソン」 で特別な大会だと言い聞かせゴールを目指す。
コースは直線の3車線が続いており応援者との距離も遠いが33km付近で「財前さーん」と今度は男性の声援。
振り返るが誰か分からない。ゴール後にメールが届き、この声援の男性は以前に「大分医療センター」で同じ職場に勤務していた後輩であった。
コースは、時々緩やかなアップダウンがありしかも長く続く直線、気持ちが折れそうである。
やがて第2折り返し地点を過ぎ35kmを通過。
タイムは2時間40分47秒、31km~35kmのラップは23分24秒でペースが落ちているのを体感する。関門まで14分13秒。
第7関門(40キロ:3時間20分)
 ペースをこれ以上落とさないようにと自分に言い聞かせ何とか踏ん張る。
35km位からは追い越すランナーが多くなり、救護車に収容される人も増えてきた。
「ランナー皆、自分の限界を超えて倒れる寸前まで頑張っているのだなー」と思いながら自分との戦いが続く。
目の前に「あと3km」の表示、応援も多く急に元気が出たような気がする。
やがて40kmを通過、タイムは3時間03分45秒。
36km~40kmのラップは22分58秒、関門まで16分15秒に広がる。
もう大丈夫、自己更新をねらいたい。
いよいよゴール
 あと2km、全ての力を出し切りスピードアップと思いながらゴールへと向かう。 
呼吸はまずまずだが脚が思うように動かない。
このまま競技場へ入りトラック一周しゴールへ、時計の表示を見ると 「3時間13分27秒」 自己更新でゴール。
フィニッシュ後は、「フィニッシュタオル」と「ドリンク」を頂き、「チップ」を外し、カテゴリー毎に分けられた場所で荷物を受け取り解散。
無料シャトルバスで、それぞれ大分駅や別府北浜に向かい帰宅。大分空港行きは有料。
市民マラソンのようなゴール後の「おもてなし」は一切ない。
走っている時と同様、ゴール後もランナーの動作は速くあっという間に人影はなくなった。
このような空気は今まで味わったことがない。この貴重な経験をこれからのランニング生活に活かしたい。
以上、60代最後の 「別大マラソン」 、42.195kmに挑んだ旅でした。

最後に
 スタートからフィニッシュまで「別大マラソン」の雰囲気を強くかみしめながら走れた大会でした。
大会前に、Eコーチから雨対策、バンクの走り方やスタートが正午なので食事のタイミングなどアドバイスを頂き心に余裕を持つ事ができました。
マラソンを始めてから5年目、「ランニング・ドリーマー佐賀」に入会して4年が経ち、マネージャーのS先生やEコーチまた学生コーチからの指導と会員の皆さんとの交流や練習の積み重ねで「別大マラソン」を完走することができました。有り難うございました。
平成29年2月8日

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2017-2-9

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